花は折りたし梢は高し

とにかくいろいろうまくいかねーなってことを書いていこうと思います。

思いつきで自分を追い込むクセがあることについて書いてみる

完全なる思いつきで二輪の免許を取ろうと教習所に通い出した。

 

周りには訳わからんとか

気がふれたかとか言われている。

 

確かに私は二輪にはこれっぽっちも興味がなかった。

家族が二輪を乗ってたわけでもない。

原付に乗った時恐ろしくて

これはアカンやつや、と思ってむしろ距離すら取っていた。

 

たまーに、こういう時がある。

全く買う気のなかったPSVitaを勢いで深夜買いに行ってみたり。

映画を観に行き、時間調整に入った電気屋でなんとなくiPadを買ってみたり。

急に思い立って飛行機に乗って地方の人に会いに行ってみたり。

なんとなく「学校に行こうかな」と通信制の大学に入ったり。

 

特に理由はないし、元々思い焦がれてたわけでもない。

だから「急にどうした!?」と思われる。

 

自分でも説明がつかない。

衝動買い、というのとはちょっと違う。

衝動買いは、後で「勢いだったな~」と思うことが多いけれど

この感じは「なるべくしてなったな」と妙にしっくりする感じがする。

 

実は多分自分でも自覚がない欲求が、うっすらと私の深層心理にはいて

何かのきっかけにひょこっと顔を出すのだと思う。

そのきっかけというのは、大抵何かに対しての閉塞感を感じている時。

カーネルパニックを繰り返したあと、PRAMクリアするみたいな。

 

強いて言えば、そろそろ免許の書き換えだなー姓の変わった免許になるなー

離婚したらどうなるかなー裏書きだけの訂正やだなーあーそっかその時は

なんか新しくとればいいのかーバイクでも取る?あ、なんかバイクいいんじゃね?

 

みたいな感じか。

あれ、本末転倒じゃないか。

 

さて、二輪の話に戻そう。

 

どうやら二輪というのは一般的にMTらしい。(くらいの知識レベル)

ビッグスクーターはビジュアルがあんまり好きじゃない。

教習車以外では片手で足りる程度にしかMT車に乗ったことがない。

今四輪のMT車を運転しろと言われたら、上手くギアを繋げる自信などない。

 

バイク乗ってる自分を想像できない。

楽しそうだなあと思うわけでもない。

欲しいバイクがあるわけでもない。

大昔「羽ホンダ」の販促物のデザイン仕事をしたときもさっぱりだった。

 

けれどなぜか、取らねば二輪、という気持ちがどんどん大きくなっていた。

とはいえすぐに思い切れず、「プププ、ププ」と蓄積されていく感じ。

近い将来、リミッターが超えて「テテテ・テーテテ・テーテテテー」と

仮装大賞のようになるのは何となくわかっていた。

二輪の免許を持っている友達に「取ろうかな」と言ってみた。

返事を聞く前からこの人は「いいじゃん!」と言うであろうと分かっていた。

えっ、なんで

って言う人ばかりなのは分かっていたから。

 

オットにも「一緒に取ろう」と言った。多分「いいね」といいつつ、

いざとなればめんどくさがってやらないだろうとも思っていた。

 

そして実際全てが私の思惑通り、そうだった。

 

思いつきから中2日くらいで教習所にいた。

おざなりに説明を聞いて「ご主人と良く相談して」と言われたのを聞き流し

せっかく説明してもらったし、もう私もいい大人だから、勢いだけでなく

ちゃんと考えてる感を出さないとという悩んでるフリ演出の沈黙から

「はいります」と告げると、受付のおばさんは明らかに「まじか」という顔をして

黙って別の男性スタッフに私を引き渡した。

 

その男性スタッフはにこやかに「バイク見てみましょう!」とおばさんよりは歓迎モード。

タンデムの経験すらない私。初めて間近で見るバイクは

思ったよりも男前「ふぉ!」。簡単に言えば、「なんか上がった」。

 

男性はニヤニヤしながらゆっくり目の前のCB400という男前を倒し、起こせないと入校できないという。

ふむ、噂でよく聞くやつだな。都市伝説じゃないのかと思いつつ。

言われた通りの手順で、男前に体重をかけて起こした。

 

その後男性は教習車を色々跨らせてくれた。

正直まだ興味もないけど、ハーレーだとかビッグスクーターだとか、大型のものも。

 

相変わらずぜーんぜん二輪の知識なんてないけれど

「取ろう。やっぱ免許取ろう。」と思った。

 

思いつきを簡単に引き返せないところまで追い込む。

結婚もそうだったな。悩んでたらどうせやらないのだから、と

思考停止してとりあえず進むのだ。

 

何か新たな修行に挑戦するような、若干悲壮感すら感じながらの挑戦だったが、

やっと少し、楽しいのかもしれない、と思えるようになった。

相変わらずあんまり興味はないけれど、とりあえず直感のままに頑張ってみようと思う。

 

席に戻るとおばさんはなにやら男性と談笑した後、「頑張ってくださいね」と予約を取ってくれた。

四輪の卒業生だからと割引があった。

そんな15年も前の話なんかすいませんと思いつつ、その日は帰宅。

 

後日なにやら適性検査を受け、ライダー見習いデビュー。

晴れて教習の一段階が始まったのだった。

 

なんかバイクに興味を持とうと思い、憧れのバイクを探すことにした。

そういう動機を後付けして、なんとか免許を取りたいと思う。